特定非営利活動法人
日本エスコフィエ協会
Association des Disciples d'Auguste Escoffier du Japon



2002年8月21日開催

予選課題
テ ー マ poularde avec trois garnitures 8人用プラッター盛り
ガルニテュール 2種類は自由。残り1種類は4×4cmのダリオル型を使用して作ること。
ルセット 規約に明記する書式で必ずワープロ打ちすること。
写  真 プラッター盛り1枚、及びプラッターの料理から盛り付けるアシエット盛り1枚の料理写真計2枚。
詳細は、後日郵送される当コンクール規約に記載されています




第1回エスコフィエ・フランス料理コンクールには227名の応募がありました。
その中からルセット審査を通った10名が8月21日に東京調理師専門学校(東京都新宿区)で規定のテーマに基づいて行われた決勝に参加しました。 
● 決勝参加者 ●(50音順 敬省略・2002年開催時)
秋元   直樹 ㈱オリエンタルランド
朝比奈   悟 横浜グランドインターコンチネンタルホテル
江口   美彦 ハウステンボス㈱ホテルズ事業部
遠藤     茂 横須賀プリンスホテル
梶原     忠 東京プリンスホテル
榊   喜美子 大阪あべの辻調理師専門学校
澤藤   敬二 浦和ロイヤルパインズホテル
周佐   昌寿 ㈱帝国ホテル
豊田   光浩 ㈱ロイヤルホテル
中田   淑一 大阪あべの辻調理師専門学校
その結果、

   優勝  江口 美彦(写真中央)
   2位   秋元 直樹(写真左)
   3位   中田 淑一(写真右)

の3氏が選ばれました。

なお、優勝した江口氏は2002年10月26日にフランスのソローニュ地方で開催されたロベール・ゲラン杯(ジュルネ・ガストロノミーク・ド・ソローニュ主催)に出場し、見事準優勝を果たしました。



< 決勝テーマ >
< メイン > 鴨をブリデして若くロティールし整形して船形にする。胴部分に鴨ムース3層と鶏ムース2層を交互に重ね、元の鴨の形の大きさに再現する。
ロティールした胸肉は、ア・ポワンにキュイして8人分のエギュイエットに切る。
<解説> ・ 鴨の内臓を取り除くために開ける肛門の穴はできるだけ小さめに切る。内臓をすべて取り除いたら、肛門の穴からコニャックや香草類を入れると肉の臭味がなくなる。また、美しく仕上げるために胴の下部の尾羽の付け根部分を骨ごと必ず穴の中に曲げ入れること。
・ 鴨は通常のブリデの方法のように、8の字型にして縛る。ももを身にしっかり付けるために、ひざの関節部分と身を止めること。糸を除いた後に穴が目立たないよう、細いブリデ針と糸を用いるとよい。
・ 足は広がらないように、両足首を結ぶこと。足に指が付いている場合は、中指だけを残す。また一度湯をかけてきれいに足先のうろこのような皮をむき、爪は必ず取ること。
・ 鴨の背を下に盛り付けた時に安定するように、手羽を逆側にひねって手羽先を背側に付ける。
・ 鴨が生のままでは、胴を台として用いるのに不適である。そのためには全体を硬直させるためだけに非常に若くロティールすること。この段階で火を入れ過ぎると、ムースを詰めて本格的な加熱を行う時にもも肉に火が入り過ぎてしまう。
・ 肋骨のカットは、はさみを使って背骨から3~4cmほどのところで背骨に沿って切り取る。これは5層のムースの台となり、しかもサーヴィス時にデクパージュをしやすいようにするためである。
・ 5層のムースは、切り分けた時に美しい層を見せるためである。また、元の形にして供するためにエスコフィエは、バターを塗った硫酸紙を用いて加熱中の型崩れを防いだ。
・ オーヴンで火を入れた鴨は必ず休ませてから紐を外すこと。
・ エギュイエット aiguillette は繊維の方向に細長くスライスすることである。繊維に直角にスライスすると、単にエマンセ emincer することになってしまう。また、ロゼに仕上がるようにロティールしなければならない。
< ガルニテュール >
A. セロリ・ラヴ風味のクロケット・ド・ポム・ド・テールのアパレイユに、りんごとフォワ・グラをファルシールし、小円筒形にしたクロケット8人分
・ 中に詰めるフォワ・グラは強火で焼き、臭味を抜くためにコニャックでフランベしてから細かく切る。クロケットの真中に穴を開け、小さく切ってソテしたりんごとフォワ・グラを合わせて詰める。
・ 揚げる時に破裂してアパレイユが油中に流出しないためには、セロリ・ラヴの水分を十分に飛ばし、冷蔵庫でしっかりとしめたアパレイユを用い、初めは高温の油で揚げ、周りをしっかりとコーティングする。

B. 型に、にんじん、クールジェットの皮部分、かぶを交互にシュミゼし、底にプティ・ポワを敷き、鶏のムースで固める。ラタトゥイユを詰め、再び鶏のムースで蓋をしたもの8人分
・ 野菜を薄く均等に切って完全な等間隔に並べて型に張ること。また、プティ・ポワを敷き詰めてから鶏のムースをしっかり押し付けないと、型から抜いた時に崩れてしまう。ムースを詰めたら中心にフォークなどの柄で穴を開け、そこに細かく切ったラタトゥイユを詰め、最後にまたムースを被せる。ラタトゥイユの水分を減じて濃度を高めておく方が、型から抜いた後の形が安定する。
C. 自由課題のガルニテュール
< 盛り付け > 40×60cmの銀盆に以下のものを各自の好みで盛付ける。
1. 揚げたパン・ド・ミ(イギリスパン)をソックルにして鴨を盛る。
・ ソックル socle は、主材料を美しく見せるための台であると同時に、切り分ける時に出る肉汁を吸収するので、食べても美味である。
2. 銀盆を薄くソースでナペし、残りのソースはソシエールで別添えにする。
3. ガルニテュール3種各8人分
< デザート > 1人前を27cmの白い皿に盛る。残りは試食審査用として丸皿に盛る。(ソースがあればソシエールで別添え)
・ 制限時間4時間の中で、メイン料理にどんな課題が出るのかがわからない場合、自由課題のデセールは時間がかからないものと、そうではないものを何種類か考えておくこと。デセールに時間がかかり過ぎてメインの製作に支障をきたさないことが大切である。

< 使用した材料 >
【 各自配布分 】 【 調理室中央に設置(各自必要量を使用) 】
約2.2kgの鴨 1羽(ムース用) 砂糖
約1.5kgの鴨 1羽 コニャック
約1.5kgの鶏 1羽(ムース用) ポルト酒(白)
鴨レバー 350g(ムース使用可) ポルト酒(赤)
鴨のフォアグラ 2分の1(ムース使用可) マデーラ酒(白)
にんじん 4本 トマト・コンサントレ
玉ねぎ 4個 アロー・ルート(くず)
セロリ・ブランシュ 2本 小麦粉(強力粉)
セロリラヴ 小1個 ナツメグ
パセリ 4分の1 セージ
バジル  1パック ローリエ
なす 4本 タイム
赤ピーマン 1個
緑ピーマン 1個 ラップ
クールジェット 4本 アルミホイル
かぶ(白) 4個 パラフィン紙
エシャロット 5個
いんげん(極細) 100g
プティポワ 50g
じゃがいも 1kg
りんご 1個
シャンピニョン 15個
にんにく 1株
トマト 4個
10個 
生クリーム(45%) 1リットル
バター 900g
胡椒(白)
700g
オリーヴ油 500g
パン・ド・ミ 3斤
白ワイン(辛口) 1本
赤ワイン(ボルドー) 1本
トリュフ 1個
ジュ・ド・トリュフ 40cc
フォン・ド・ヴォ 1.5リットル



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